トピックス

幼稚園業務の負担を減らしたい。 送迎バスのみつばコミュニティが添乗員代行をイチから始めた訳。

株式会社みつばコミュニティは主に送迎バスの運行管理を行っている会社です。2020年12月、新たな幼稚園向けサービス「添乗員代行サービス」の販売を開始しました。

これまでは主に送迎バス運転士を現場に派遣し、運行管理の機能を果たしてきた当社。新たに加わる添乗員代行サービスでは、幼稚園バスに添乗員が同乗し、園児たちの乗降時のサポートや車内での点呼や応対を行います。もともとは関東を中心に展開するバイリンガル幼児園向けに開発した添乗員代行サービスを、一般の幼稚園向けにアレンジした本サービス。本稼働スタートの2021年4月時点で、すでに既存の顧客様からは多くのお問い合わせをいただいており、今後ますますニーズが高まっていくと考えられます。

誕生から実装に至るまでのエピソードを、サービスの開発者で元東京支店支店長の大森直紀さん(現:業務推進部 担当部長)に聞きました。

添乗員サービスについて詳細はこちら

元東京支店支店長の大森直紀さん(現:業務推進部 担当部長)

 

誕生のきっかけは園児送迎で感じた添乗業務のニーズ

みつばコミュニティが初めて園バスの添乗員業務を請け負ったのは、2015年に開園した三鷹市にあるバイリンガル幼児園です。添乗員代行をスタートするきっかけとなったのは、現場で感じた添乗業務のニーズと、同幼児園のご担当者様との間の信頼関係でした。

【第1号園の立ち上げに参加】

今では全国に姉妹園を含め12園展開しているこちらのバイリンガル幼児園ですが、2013年に神奈川県横浜市のセンター南に第1園目を開園しました。みつばコミュニティはこの園の園児送迎バスの運行をまかせていただき、園の立ち上げ当初から参加しました。当時は園ご担当者様とともに園バスのコース設定を作ったり、万が一運行中に震災が発生した場合の園児の避難方法などを考えたりと、二人三脚で取り組みました。この立ち上げをともに乗り切った経験から、ご担当者様との間に信頼関係が生まれました。

【2園目で添乗員サービススタート】

その後、同幼児園の2園目を東京都三鷹市に出すことになった時にも、園バスの運行を当社に委託していただくことになりました。第一号園のセンター南園では、送迎運転士は当社スタッフ、添乗員は幼児園側のスタッフという形で運行を行っていましたが、三鷹園の当時の園長から「添乗員の用意もみつばさんの方でお願いしたい」というお話をいただいたんです。

一般的に幼稚園などでは、園バスに同乗する添乗業務は幼稚園の先生が担当することが多いのですが、こちらの幼児園では専門の添乗スタッフを別途雇用するという形をとっていました。

同幼児園では2歳児からの園児受け入れを行っており、基本的に2歳以上のお子さんがバスを利用します。先に開園したセンター南園の園バス運行の際に、小さな子どもたちも多い中での添乗員の負担が大きく、採用・教育の面でハードルが高いことを目の当たりにしていたので、少しでも力になりたいと思いました。

当時、みつばコミュニティでは添乗業務を請け負ったことがありませんでしたが、当社のお客様の約半数以上が幼稚園です。だから送迎ノウハウを既存のお客様の園からヒアリングさせていただくことで、当社でも添乗員代行を行えるかもしれないと思ったんです。

そこで当時の東京支店の支店長だった私が新しく仕組みを作り、送迎バスの運行だけでなく添乗サービスの導入に向けて動くことになりました。

反対する事業部長を説得してサービス導入を決定

実は当時の事業部長に「送迎だけでなく添乗サービスもセットで受けたい」と打診した時には反対されたんです。というのも先ほども言ったように、当社では添乗員業務の請負は前例がありませんでした。当然添乗員の新規採用や教育についても、ノウハウがなかったので、反対されるのも納得です。

しかし、お客様のお役に立ちたいという思いが強かったですし、今まで培った送迎の知見をつぎ込めばできるんじゃないかという見込みから、事業部長を説得して話を進めました。

新たに添乗員を採用し、研修マニュアルを作成

まず取り組んだのは添乗員の新規採用です。こちらの幼児園の添乗業務で必要な人数はバス一台につき2名。合計30~40名規模の大量人数を短期間で採用し、さらにイチから教育しなければなりません。そこで独自に研修マニュアルを作り、バスのドアの開け方といった初歩的な知識から、お子さんの座らせ方、バスの中での過ごし方、スムーズな乗り降り、そして保護者の方への対応まで一つひとつ教えていきました。これらができたのは、長年送迎バスの運行を手がけてきた当社だからこそだと思っています。

【添乗員がサービス改善のアイデアを出すことも】

スタッフ教育を進めていく一方で、子育て経験が豊富な添乗員から

・子どもが吐いたときの処理の仕方

・非常用の備品の常備

・乗車中に紙芝居の披露やCDを流す

といった、サービス改善につながるさまざまなアイデアが自発的に出る場面もありました。またスタート前は空のバスに添乗員を乗せて、運転士が試走しながらバス停でシミュレーションをしたり、バスの非常扉を開けて、緊急時の避難訓練をさせていただいたりしたこともありました。

この添乗員代行サービスは、当社にとって初の試みとなりましたが、添乗員スタッフたちの頑張りもあってお客様からご好評をいただき、現在ではこちらのバイリンガル幼児園の7箇所の園で運転士と添乗員セットでの運行を行っております。また当時の添乗員業務立ち上げスタッフは、現在では新規園の添乗員業務指導役として大阪へ赴くなど、各地で当社の添乗員業務の中心を担ってくれています。

幼稚園の一助となり、多くの方にご利用いただけるサービスへ

 

バイリンガル幼児園用に立ち上げた添乗員代行というサービスを、今回一般の幼稚園に向けて広く販売を開始した理由の一つに、多忙な幼稚園現場の一助になりたいという強い想いがありました。

幼稚園教諭の仕事というと、園児の遊び相手や教育といった比較的微笑ましいシーンを浮かべる方も多いかもしれません。でも実際は常に膨大な仕事を抱えていて、表では見えない役割もたくさん担っています。また幼児教育・保育の無償化によって幼稚園へ入園希望の幼児が増え、現場の人手不足はより深刻さを増しているんです。さらに、昨今の新型コロナウイルス感染拡大で、普段以上にこまめな消毒が必要になるなどの負担も増えています。

園バスへの添乗業務も幼稚園教諭が行うことが多い現状。添乗業務を外注するという選択肢を増やすことで、少しでも多忙な幼稚園現場の負担を和らげる一助になりたい。それが本サービスを一般の幼稚園向けに広く販売開始した私たちの想いです。

さらに本サービスは、今後バスの自動運転が進んだとしても、人の手が必要とされる業務として残るものであると考えています。今はまだ一部のエリアのみでの実施となりますが、今後さらなるエリア拡充をしながら、この添乗員代行サービスを普及させ未来に繋げていくことで、幼稚園現場の負担軽減と子ども達の健やかな成長をサポートしていきたいと思っています。

<ニュース>一覧へ戻る

矢印