今の会社でずっと働けるような環境を作りたい
―― 仕事の話に戻りますが、今までの仕事を思い返して一番大変だったのはどの仕事ですか。
富井 たくさんの試練を乗り越えてきたと思います笑。その中でも一番大変だったのはマネージャーのとき。人と関わることが多い仕事で、でも人って自分じゃ変えられない。事業所を立ち上げて栄養士を採用して育成して、育ってきたと思ったらやめてしまう・・・やめるという人を説得したり、社員のモチベーションをあげたりというのは一番難しかったです。
その分たくさん出会いもあり、ビジネス全般のことが学べて一番勉強になった時期でもあります。
―― やめてしまう栄養士も多いのですね。
富井 栄養士って現場でやっていてめちゃくちゃ孤独なのです。育成して、「よしっ」となった頃にやめてしまうこともあるので、キャリアアップできるように広げていかないときりがない。なんとかしないといけないと思って立ち上げたのが「レモンタイム」という取り組みです。
栄養士がみんなでつながって、学べる場。衛生Teamの今野さんと2人で相談しながらスタートさせました。今はコロナの影響でできなくなってしまいましたが、勉強会だけでなく、みんなで工場見学やいちご狩りに行ったりもしていました。
レモンタイムとは
―― 今の人財育成につながっている感じがします。
富井 栄養士数年目というのは、私自身も大学病院にいたころで、先が見えなくてキャリアについて悩んでいました。だから、今の会社でずっと働けるような環境を作りたいなと。
レモンタイムを始めた後にソシオークグループの10年後の未来に向けて必要なものを考える「未来プログラム」という研修があり、参加したんです。そこで、グループが大きくなっていく中、人財育成が今のままでは間に合わないという話題になり、私は人財チームとして「ソシオークカレッジの再構築」を役員の皆様に提言をしました。そうしたらなんと、その2週間後に育成課を立ち上げるから任せると上司から話があり。
―― 急展開ですね。その話を聞いて・・・。
富井 「やってみたい!」と思いました笑。大きなキャリアチェンジなので、勇気がいりました。でもチャンスだし、できるかも分からないけれど、他の世界を知れる次の挑戦だと思い決意しました。
新しい挑戦に「やるしかない」
―― そこから半年後に育成課が立ち上がり、すぐに現場力のエバンジェリスト8名が合流し、そこから人が増えていき、いろいろなミッションが追加されて、半年後には17人の新しい部署ができた・・・
富井 あれよあれよと。もうやるしかない笑。
これまでいろいろな仕事をしてきましたが、自分1人で完結する仕事が多かったので、多くの部下をもつのは初めてでした。エバンジェリストは現場から初めて本社に来てみんな不安だったので、私も不安でしたが、おどおどしてはいられないので。演じなきゃって笑。
―― 上に立つ立場として実際どうですか。
富井 みんな悩み、つまずきながらやっています。エバンジェリストがワークショップのファシリテーターを初めてやったときは、自分がやるより緊張させられました。でも「メンバーが成長していくことを楽しい」と感じるのは初めての感覚です。みんなに感謝しながら私も育てられているなと思っています。
―― 次の目標は。
富井 次のリーダーを作っていかなければと思っています。そのためにみんなの意識を高めて導いていかないといけない。私だけではだめなので、チームとして一人一人の良いところを見極め、その人からみんなが学べるようにチーム全体で高めていく。
とはいってもまだ正解が分からず悩んでいます笑。これから、また人も増えたりと常に新しいお題・課題があるので、「やるしかないな」と。