インタビュー×保育園

体力づくりとやりたいをサポート
子どもたちを一番に考える駒岡園の保育を紹介

■住宅街の中の、地域に見守られる保育園

綱島駅からバスで7分、「一の瀬」バス停を降り、徒歩3分の立地にあるのが明日葉保育園駒岡園です。歩いていると、住宅街や工場の間に、まるでおもちゃ箱のような可愛い色味の園舎が現れます。駒岡園は2014年4月に開園し、今年で8年目となりました。

今では、地域の方の温かい見守りにより、支えられています。

近隣住民の方は、コロナ禍で大変だろうとマスクを寄付してくださったり、近隣の工場の方は、子どもたちの散歩の途中でお茶を飲む場所を提供してくださり、大きなトラックを見せてくれます。すっかりお散歩コースのひとつになりました。
また、別の工場の方は、ハロウィンの際にお菓子をわざわざラッピングして持ってきてくださいます。消防署の方も好意的で、子どもたちの大好きな消防車に乗せてくださいます。駒岡園の裏には鶴見園芸さんがあり、秋にはサツマイモ掘りを体験させてくださるなど、子どもたちは保護者様と保育者だけでなく、地域のたくさんの方からの愛情を受け、すくすく成長しています。

■駒岡園の特徴

~子どもたちの意欲を大切にし、子どもの“やりたい”を存分に保障できる保育を目指して~

駒岡園では、保育園という集団の中でしか育てることのできない力を、遊びの中から学んで習得してほしいと考えています。そう語るのは駒岡園開園から園を支えてきた園長の菅原友紀子さん。

昨今、子どもたちが育っていく環境を見ると、野山を駆け回って自由に遊びを展開し、工夫し、試行錯誤し、助け合って困難を乗り越えるようなダイナミックな遊びの環境はほとんど姿を消しています。子どもたちの自発的な活動を通して育っていくことを考えると、私たち保育者は子どもの意欲を大切にし、子どものやりたい活動を存分に保障するような保育を目指し実践しています。

遊びの中から、非認知能力(意欲・協調性・粘り強さ・忍耐力・計画性・自制心・創造性・自己肯定感・コミュニケーション能力)といった測定できない能力が身につきます。これらの能力がしっかり育っている子どもは、その後社会に出た時に挫折することが少なく、もし困難な出来事が起きても、自分を大切にして生きていくことができる大人になっていくのだと思います。

そのために駒岡園では、園庭の水たまりでダイナミックに遊んだり、みんなでごっこ遊びをしたり、見立て遊びや虫探し、感触遊びなど、様々な遊びを保育の中に取り入れています。それぞれが好きな遊びをじっくり楽しめる環境を整え、見守る、みんなで協力して一緒に作る、自分たちで考察して実験する、そして、最終的には、自分たちで考え相談して行事を形にしていくなど、子どもの主体性が育つよう保育者がサポートをしていきます。


年々、主体性を大切にする保育の成果が表れてきていると実感しています。特に幼児クラスの子どもたちの主体性が伸びてきており、子ども主体でやりたいことを決める、話し合いをしながら決める様子が見られるようになりました。昨年卒園した5歳児さんでは、夏祭りのときにやりたいことを、子どもたち自らが考え、準備までを一貫して子どもたち主体で進めました。保育者は子どもたちの意見をまとめ、紙に書きだし見える化をするだけ。題して「ひまわりショップ やることリスト」です。このリストに沿って、「今日は〇〇を作ろう!」「□□ちゃん、一緒にやろう!」と、子どもたちが主体的に取り組み、子どもたちによって夏祭りを作り上げることができました。それによって、大きな達成感と自信に繋がったことでしょう。


~体力づくり~

駒岡園では子どもの体力づくりとして、“雑巾がけ”や“歩け歩け散歩”、“リズム体操”を取り入れています。

雑巾がけは、体の様々な筋肉を使うので、一見簡単そうに見えますが、腕や脚の力がないとすぐに転んでしまいます。日常的に行うことで、自然と体力がついてき、最初はできなかった子も、徐々に筋力が付き、できるようになっていきます。駒岡園の長い廊下は、絶好の雑巾がけスポットです。

また、日常的に歩け歩け散歩を実施しています。年齢によって距離などは異なりますが、1歳・2歳は無理せずできる範囲の距離で、3~5歳児は早歩きで長い距離を歩きます。通常のお散歩でもある程度の距離は歩きますが、この歩け歩け散歩では、片道45分程。目標をここまで、と決めて、みんなで歩ききったときは、子どもたちの体力が付くだけでなく、自分たちの力で歩けたという達成感や自信に繋がっています。

リズム体操は、カメやアヒルなどの動物になりきり、その動きをまねた体操です。0歳の時から音楽に合わせてみんなで楽しみながら行っています。しゃがみながら歩くなど、案外難しく、こちらも最初はバランスを崩してしまいますが、徐々にできるようになっていきます。0歳の時から継続してやっている現在の4歳児では、この4年でかなり体幹が育っていて、明日葉保育園のプログラムの一つである体操でも、跳び箱や鉄棒など、スイスイできてしまう子どもが続出。日々の積み重ねの成果が見られ、保育者も子どもの成長に驚いています。


■“にやりホッと”に最初に取り組んだ保育園

明日葉保育園では、仕事をする中で“にやり“と笑顔がこぼれる瞬間や、“ホッと心が温まるエピソードを、“にやりホッととして、社員一人ひとりから発信できる仕組みを整えています。実はこの“にやりホッと、最初に取り組んでいたのが駒岡園でした。

昼礼では、社員たちが子どものケガを未然に防ぐために、ヒヤリハットを共有していました。もちろんヒヤリハットの共有は大事なことですが、話をしていて、「〇〇ちゃんはこうだから危ない」「□□くんはこうだから目が離せなくて大変」というように、子どもたちに対してマイナスな見方をしがちでした。本来保育のお仕事って、もっと子どもたちの可愛いさや、成長に触れられる、とても楽しいものであるはず。子どもたちの良い面を共有して、もっと保育を楽しみたい、と考え、“ヒヤリハット”ではなく、“にやりホッと”を共有するようになりました。にやりホッとの共有を始めてから、保育者たちは今まで以上に子どものつぶやきを拾うようになりました。子どもたちの話が尽きず、子どもたちを一番に考える風通しのいい園になっていったのです。

「うちの先生たちは、子どもたちのいいところ、可愛いところを見つける天才です!」開園から駒岡園を支えてきた、主任の三浦佐知子さんが目を輝かせて語ってくださいました。毎日昼礼の時間はそれぞれの先生からのにやりホッとで溢れています。私も話したいけど、時間オーバーで話せない時もしばしばですが、そのくらいみんながにやりホッとを共有してくれるのが嬉しくて。みんなが、子どもたちのためにできる最善を考えられる、素敵なスタッフばかりです。そんな駒岡園のスタッフは私たちにとっての自慢です!