
元オリンピック選手やトップアスリートが、こどもたちに直接スポーツを教えてくれる――そんな夢のような体験ができる「ドリームコーチング」。2022年から、明日葉が運営する放課後児童クラブで定期的に実施しています。この事業を立ち上げたのは、日本テレビの元アナウンサー・新谷さん。アスリートたちに新たな活躍の場を提供し、スポーツを通じてこどもたちの可能性を広げています。今回の対談では、新谷さんと明日葉社員が、ドリームコーチングを実施した現場の様子や、こどもたちの未来を広げる新たな挑戦について語り合いました。
<対談パネリスト>
日本テレビ 社長室新規事業部 新谷さん

スポーツアナウンサーとして数多くの競技を取材しトップアスリートたちの活躍を伝えてきた経験を活かし、新規事業部で「ドリームコーチング」を立ち上げ。プロやオリンピアンの持つ貴重な技術や知識を次世代に伝えたいという熱い想いから、アスリートとこどもたちをつなぐ架け橋として活動を展開している。
株式会社明日葉 運営部 横浜エリアマネージャー 新井さん

入社10年目。6年間学童の現場で指導員を務め、現在は横浜エリアの運営マネージャーとして、各クラブの要望を聞きながら施設のマネジメントや本社との橋渡しを担当。幼少期からサッカーに親しみ、現在は野球観戦も楽しむスポーツ好き。
株式会社明日葉 運営部 横浜エリア担当 田中さん

保育士・幼稚園教諭としての経験を経て、明日葉に入社して3年目。現在は横浜エリアのマネージャーアシスタントとして、現場のサポートや運営に携わる。学生時代には地元の球場でアルバイトをするなど、スポーツにも親しんできた。
<進行>
株式会社明日葉 インキュベーション事業部 部長 平野さん

インキュベーション事業部で新規事業を推進。ドリームコーチングをより多くのこどもたちに届けたいという新谷さんの想いに共感し、放課後児童クラブでの展開を実現。ソシオークグループの野球部部長として、スポーツを通じた社員交流にも力を注いでいる。
オリンピアンからの直接指導に、50人のこどもたちが熱狂!


ドリームコーチングは昨年、約20カ所の事業所で定期的に実施しました。特に横浜市の放課後児童クラブで実施した、長谷川大悟コーチ※による「かけっこ教室」はとても好評でしたね!
※長谷川大悟コーチ:2016年リオ五輪 陸上・三段跳び日本代表選手。現在も現役を続けながら、年間で多数のイベントや講演を実施している。

当日は50人ものこどもたちが参加を希望して、かなり大規模なイベントになりました。こどもたちは「かけっこが速くなりたい!」という純粋な気持ちや、「三段跳び」という普段馴染みのない競技への好奇心から、とても楽しそうに参加していましたね。

やっぱり「かけっこ教室」って、現場からのリクエストが多いんですよね。小学生にとって「足が速くなりたい」という願いは、昔も今も変わらないんだなと感じます。

長谷川コーチが三段跳びを披露してくださったんですが、そのジャンプ力にこどもも先生も大興奮でした。コーチが帰った後も「ジャンプすごかったね!」と話題が尽きなくて、こどもたちにとって心に残る貴重な体験だったんだなと感じました。

長谷川コーチのような存在は、こどもたちにとって一瞬で憧れの的になります。
現場の先生がこどもと信頼関係を築くには時間がかかりますが、アスリートはその壁を一瞬で取り払ってしまう。先生たちもうらやましいと思うくらい、こどもを惹きつける力がありますよね。
「足が遅かった僕がオリンピック選手に」長谷川コーチが語る努力の大切さ


長谷川さんがいいなと思うのは、こどもたちに「自分はこどもの頃足が遅かった」という話をしてくれるところなんです。小学生の頃はかけっこでクラスの女の子たちに負けていたという話には驚きますよね。
こどもの頃に足が遅くても、その気になって動きを研究して速くなるための努力をすれば、オリンピック選手になれた人もいるんだというのは、こどもたちにとって大きな希望になると思います。

大人の心にも響くお話でした。

そうですよね。これまで何人ものアスリートの話を聞いてきましたが、どれも印象深く、学びの多いものばかりです。

ぜひ保護者の方々や、私たちグループの社員も講義を聞ける機会を作りたいですね。
プロの技に大興奮!引退後のアスリートたちが輝く場に


バスケ教室では小池真理子コーチ※が来てくれて、こどもたちは「すごい!背が高いお姉さんが来た!」と大興奮でした。
そのクラブはバスケットボールに興味を持つ子が多く、日頃から「バスケがしたい」と言っていたんです。そんな中で、小池コーチがスリーポイントシュートを披露してくださって、こどもたちはくぎ付けでした。「もう一回やって!」と何度もお願いして、何度やっても成功する姿に完全にとりこになっていましたね(笑)。
※小池真理子コーチ: Wリーグのバスケ選手として3年間活躍。引退後3×3選手として5年間活動した後、現役引退。

小池さんのような引退したアスリートにとっても、こうした場は特別なものなんです。
引退後、スポーツ選手としてのキャリアが終わると「自分には何ができるんだろう」と悩む方も多いんですよね。
でも、こうしてこどもたちの前でスリーポイントを決めて喜ばれると、「バスケをやっていてよかった」と思える。明日葉さんのような場を提供していただけるのは、アスリートを支援する立場としても、本当にありがたいなと思います。
全国のこどもたちに届けたい。ドリームコーチングが目指す未来


アスリートの方は引退後、飲食店で働いたり、営業職に就いたりと、全く違う道に進む方も多いんです。「あの人のスポーツの知識や技術をもっと活かせる場があればいいのに」とずっと思っていたので、この事業を立ち上げました。
個人向けの教室から始めましたが、個人でお金を払ってアスリートに教えてもらうというのは誰もができるわけではないですよね。放課後児童クラブでアスリートが活躍できる機会を作れているのは、すごく嬉しいなと思います。

多くのこどもたちが体験できる場として、放課後児童クラブでドリームコーチングを行う意義はとても大きいと思います。


特に三段跳びのような、普段なかなか触れる機会のない競技を体験できるのはすごくいいなと思います。こうした新しい体験や発見は、クラブの中だけでは教えられる人もおらず、なかなか提供できないものですし、こどもたちにとっても貴重な経験になるはずです。

現状では、ドリームコーチングを少しハードルが高いイベントと感じるクラブもあるようなので、もっとカジュアルに実施できる形に整えていきたいですね。そうすれば、全国のクラブに広がりやすくなると思います。

そうですね。全国の放課後児童クラブで、もっと多くのこどもたちがさまざまなスポーツに挑戦できる機会を作りたいです。
また、講演会などの新しい企画もぜひ一緒に実現させていきたいと思います!