現場力×学童・児童館

現場力インタビューVol.32「1年生集団下校の出欠確認」

木村さん(左)、平野さん(中央)、中山さん(右)

現場力作成者:株式会社明日葉 東深井小のびのびルーム 中山(なかやま) 加苗(かなえ)さん・平野(ひらの) (ひと)()さん・木村(きむら) 直樹(なおき)さん

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

放課後児童クラブのスムーズな出欠確認と、児童の誘導を実現した今回の現場力。改善を思いついたら「どんな方法で子どもたちがついてきてくれるか分からないから、まずはやってみよう」と、現場の前向きな空気をつくる主任の中山さんと、現場力作成者の平野さん、木村さんにお話を伺いました。

――今回の現場力が誕生したきっかけについて教えてください。

中山 加苗さん(以下敬称略):小学校の授業が終わると、集団下校で家に帰る児童と、放課後児童クラブ“のびのびルーム(以下ルーム)”を利用する児童に分かれます。入学したばかりの1年生は、自分がどちらに行けばいいのか分からず、右往左往してしまうため、ルームの社員が誘導しています。

ルームへの出欠は、連絡帳に書かれた保護者様のサインを、その場で50名分確認していました。出席日なのに、間違って集団下校の列に並んで下校してしまう子もいたりして、私や学校の先生が慌てて追いかけたりと、かなりバタバタしていました。

もっとスムーズに出欠確認ができないかということで、社員でアイデアを出し合い、今回の現場力が生まれたのです。具体的には、朝、児童の連絡帳を小学校の先生に集めてもらい、それをルームの社員が受け取ります。出席者と欠席者に分けておき、サインがない場合は保護者様に電話で確認します。

その結果、下校時間までに余裕を持って出欠確認ができ、児童の誘導もスムーズに行えるようになりました。

かごを使って連絡帳を集めます

――現場力によって変わったことがあれば教えてください。

平野 仁美さん(以下敬称略):出欠確認が早くなったことで、保育スケジュールを前倒しにすることができ、お弁当の日は子どもたちに早めに食べさせてあげることができましたし、子どもたちと触れ合う時間も長く取ることができました。

また下校の時間にも余裕ができたことから、集団下校のお手伝いもすることができ、学校の先生からも感謝していただいています。新1年生は小学校の入学式よりも1週間ほど早くルームに通う子が多いので、私たちは学校の先生たちよりも早く子どもたちの顔を覚えられるんです。そんな私たちがお手伝いすることで、先生たちともより良い関係を築くことができました。

中山:そうですね。校長先生や教頭先生からも感謝の言葉をいただきました。ほとんどの新1年生が入学式の前からルームに来ていたので、子どもたちと私たちの間に関係性ができていたんですね。学校が始まると、担任の先生から子どもたちの様子について相談を受けることもありました。学校と密に連携しながら子どもたちの育ちを見守ることができています。

――普段の東深井小学校のびのびルームでは、現場力にどのように取り組んでいるのでしょうか?

中山:今回のこともそうですが、「ピンチはチャンス」だと思っています。何か困ったことが起きたら、みんなで話し合ってアイデアを出し合い、改善していく現場です。良い結果につながった時は現場力レポートにして提出していますが、常に試行錯誤していますね。一度の話し合いですぐに答えが出ない時もありますが、次の話し合いの機会までに一人一つは改善のアイデアを持ってきてもらうようにしています。

日々現場で動いている社員が一番感じる「困ったこと」が、良い現場力誕生のヒントになるんだと思っています。

――現場力において、みなさんが大切にしていることを教えてください。

木村 直樹さん: やっぱり子どもたちがルームに来て楽しく過ごし、安全・安心にお家に帰るということが一番大切なことだと思っています。現場力を通して社員の業務を効率化することで、気持ちに余裕ができ、子どもたちの保育にも良い影響が出ると思っています。

平野:小さな課題に気が付き、それに対する改善方法が少しでも頭に浮かんだら、まずはやってみるようにしています。試行錯誤しながらもとりあえずやってみることで、今回のような良い経験につながるのだと実感しました。

中山:私も社員が案を出してくれたら「1回やってみよう」と必ず言っています。子どもたちがそのやり方についてきてくれるかは、本当にやってみないと分からないところがありますからね。それで全然子どもたちがついて来なければ、またみんなで反省点や改善点を出し合って、違うやり方を試してみる。ずっと現状維持ではなく、いろいろ試してみようっていうのは、この現場で大切にしていることですね。