対談

学校給食・学童クラブの現場・本社で働く女性のキャリアと子育てのリアル ~国際女性デー座談会前編~

左から倉澤さん、秋友さん、山本さん、竹下さん、河村

<パネリスト>
葉隠勇進 運営マネジメントDivision 秋友孝文さん
明日葉 業務推進Division 山本友香里さん
ソシオークホールディングス 人財育成Division 倉澤佳織さん、竹下智美さん (本文中敬称略)


3月8日は女性の活躍や功績をたたえる「国際女性デー」。グループ社員の7割を女性が占める当社でも、働く女性を応援する気持ちを込めて座談会を企画しました。

座談会のメンバーは、もともと学校給食の調理員として子育てと両立しながら働いていた倉澤さん、学童クラブ(※)の先生として、同じく子育てと両立しながら働いていた竹下さん、給食調理のマネージャーとして現場を支え、最近お子さんが産まれてパパになった秋友さん、前職で栄養士として働いていましたが、子育てをきっかけに転職してきた山本さんです。

(※)放課後児童クラブ

前編では、座談会メンバーのこれまで歩んできたキャリアと、給食調理の業界、子育て支援の業界で働く女性たちの子育てとキャリアの両立について、リアルなお話を伺いました。


自己紹介 これまでのキャリアと子育て

河村:進行を務めます、広報の河村です。

今日は座談会の会場にミモザのお花を飾り、皆さんにもミモザカラー(黄色)のアイテムを身に付けていいただきました。会場が華やぎますね!

イタリアでは3月8日をミモザの日と呼んで、女性に感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈るそうです。素敵な風習ですよね。そして、今回の座談会のきっかけとなった「国際女性デー」のシンボルフラワーともなっています。

竹下:ミモザのお花かわいいですね。飾り方も素敵!

河村:ありがとうございます。当日は受付にも飾ろうと思っています。

「国際女性デー」というのは、女性の活躍や功績をたたえる日で、NYで女性労働者が婦人参政権を求めて起こしたデモをきっかけに、1975年に国連によって制定されました。日本ではまだあまり馴染みがないですが、海外では祝日になっている国もたくさんあるそうですよ。

学校や施設で給食をつくったり、学童や保育園で子どもを預かったりして、社会で活躍する女性を応援している当社の皆さんに、まずは「国際女性デー」について知っていただきたいという想いがあり、今回の座談会を企画しました。

また、ハードなイメージのある給食調理員さんや学童の先生が、どのように働き、どのように家庭や子育てと両立しているのかを、現場をよく知る皆さんに伺うことで、今働いてくださっている社員の方を応援したり、これから当社で働きたいと思っている方の背中を押したりするようなことができればいいなと思っています。

それでは改めて、お一人ずつ自己紹介をお願いできますでしょうか。皆さんお子さんがいらっしゃるということで、お子さんの話もお聞きしたいです。

倉澤:1999年に入社しまして、あっという間に社歴がもう24年になります(笑)。入社してからずっと現場で学校給食の仕事をしていて、2年前に本社の現場力推進Teamに異動しました。

4月に高校生になる息子がいます。自分のライフステージが変わる中でずっと会社に居させてもらったので、女性に優しい会社だなと思いながら勤務してきました。今は会社に若い方もたくさんいらっしゃいますが、女性も男性も子育てしながら頑張れる会社なので、皆さんに長く続けてほしいなという想いから、本日参加しました。

竹下:私は最初、放課後児童クラブの現場で非常勤として働いていました。その後2013年に入社して、自分のキャリアの中で初めて施設の責任者を任されました。その後はエリアリーダーも経験し、2020年には単身赴任で大阪の現場にも行きました。その後、倉澤さんと同じ本社の現場力推進Teamで働いています。

倉澤さんのところと同い年で、4月に高校生になる娘がいます。入社時は保育園に通っていたので、家族にもバックアップしてもらいながら働いていました。その頃のこどもって急に高熱が出るなど、突発的なことも多いので、職場に理解があることが本当にありがたかったです。娘は皆さんに育てていただいたと思っています。

山本:私は2020年入社で、4歳のこどもがいるので保育園の送り迎えをしながらフルタイムで働いています。もともと医療・福祉関係の給食の責任者として献立作りなどをしていましたが、やっぱり子育てとの両立が厳しいなと思い、転職してきました。

今は上長のお子さんも同い年なので、すごく理解があってありがたいです。こどもって本当によく熱が出るんですが、熱が出そうだな…って朝の時点で何となくわかるんですよね。今までだったら、大丈夫かな?ってモヤモヤしながら保育園に預けて出社していたんですが、今はテレワークも選択できるので、こどもを近くで遊ばせておいて仕事するようにしています。子育てとの両立は、上長の理解があるかが大きいんじゃないかと思いますね。

秋友:私は2013年に総合職として入社しました。2年目からずっと学校給食の現場を統括するマネージャーとして働いています。昨年の8月に娘が産まれて、今6ヶ月になります。自分のこどもが産まれたことで、現場で仕事と家庭を両立されている方のことをより気にかけるようになりましたね。マネージャーとして、少しでも気持ちよく働いてもらえるようにフォローできればと、強く感じながら働いたこの半年でした。


キャリアと子育て 両立のリアル

河村:最近社内でも男性育休を取られる方が増えてきましたが、秋友さんは取られましたか?

秋友:私は取っていないのですが、現場責任者の男性も取れるようになってきましたね。1ヵ月などの短期で取る方もいらっしゃったり。そういえば葉隠勇進の本社メンバーでも最近取っていた方がいました。

河村:倉澤さんは現場で働かれていたときに産休育休を取得されたと思いますが、当時はいかがでしたか?

倉澤:保育園の関係で1年未満で復帰しました。1年経っていないにも関わらず、復帰後は給食のマニュアルがいくつか変わっていたので驚きましたね。変わるのはよくあることで、覚え直せば普通に仕事復帰できるのですが、浦島太郎のような気分になって不安ではありました。

復帰後も、こどもの熱が出たり、水ぼうそうのような1日2日で治らない病気になったりして休まざるを得ず、もどかしい気持ちでしたね。でも現場で一緒に働いている方々は、子育て経験のある先輩ばかりだったので、みんな全然気にしなくていいよってすごく理解がありました。

河村:まだお子さんが小さい時に施設責任者もやられていたと思いますが、両立は大変でしたか?

倉澤:実はこどもの成長に合わせて2回、自分から伝えて役職をおろしてもらったんです。産まれてすぐのタイミングと、小学校に上がるタイミングで。こどもが産まれる前に責任者とはどういうものかを経験していたので、復帰後すぐは難しいなという判断ができました。

その後また責任者に戻り、朝7時から保育園に預けていました。給食現場は朝が早いので、それでも他の社員より遅く出勤させてもらっていましたね。

こどもが小学校に上がった時は登校が8時でした。1年生の子に自分で鍵閉めて出なさいというのはさすがにできなかったので、一緒に家を出ました。こどもにはだいぶ早い時間に登校させてしまっていましたが、門で待ってなさいと言っていましたね(笑)。

河村:お子さんの成長に合わせてキャリアも変えられたのですね。

倉澤:どっちも上手くできる方はいると思うんですが、私はできないと思ったのと、こどもにとっても今しかない時間だと思ったのでそうさせてもらいました。結局休むことはたくさんあったので、色んな人の支えがあって今があるなっていうのはすごく思います。

河村:竹下さんも入社された時は、お子さんがまだ保育園に通われていたんですよね。

竹下:そうなんです。やっぱり皆さん言われているとおり、こどもの体調不良などでお休みする事もありました。入社して早々すごくやる気があるのに働けないというもどかしさと、職場の人への申し訳なさで辛かったですね。

河村:思うように働けない辛さがありますね…。山本さんは今まさにお子さんに手のかかるときだと思いますが、いかがですか。

山本:前職では30分だけ時短にして早く上がっていたんですよ。30分時短にすると、当然16分の1給与が減るんですが、周りからは「早く帰れていいよね」みたいな空気を感じるんですよね。本来、会社と個人の契約なので、周りがとやかく言うことじゃないんですけど、なかなか理解を得られなくて。それが納得できなかったので、転職した今はフルタイムで働いています。

でも朝8時に保育園に行って、延長保育も使ってフルで預かってもらって。こどもは楽しんでいるのでいいんですけど、帰ったあとの時間が短いのは正直大変ですね。家に帰って、保育園から持って帰ってきた大量の着替えを洗濯して、ご飯食べさせて、お風呂入れて寝かしつけて…。全部が終わったときにはもう屍のようになっています(笑)。

全員:ですよね…。

山本:でもまあ、今の職場の理解があってなんとかやっています。転職して、コロナ禍でもなくてテレワークもできなかったら結構今も厳しかったかもしれない。

河村:でも山本さん、レスポンスも仕事も早いので、それだけの育児をこなしつつ、時間をどうやりくりしているんだろうと思っていました。

山本:レスが早いのは、早くしないとすぐ忘れちゃうからなんです(笑)。基本は即レスして、できないときはTeamsのタスクにメッセージごと放り込んでいますね。

竹下:本当にレスが早すぎていつも驚きますよ!ちょっと遅い時間にTeamsでニュースの共有とかしても、すぐに「いいね」が付く。

山本:こどもを寝かしつけつつ、スマホでサーっと見ています。

河村:気が抜ける時間ありますか…。

山本:連絡やニュースを一通り見終わったら、YouTubeを見て寝落ちしちゃって、朝充電がない…とか全然ありますよ(笑)。あと最近やっと食洗機を買ったので、その分も時間ができました。時間を買うための投資は結構していますね。食洗機、ロボット掃除機、ネットスーパーの3つがあればとりあえず生きていける(笑)。

河村:秋友さんはいかがですか?お子さんが離乳食始まったくらいでしょうか。

秋友:離乳食始まりましたね。週末に作り置きしたりしています。

全員:えらーい!

秋友:給食の会社で働いているんだから、作れるでしょ?って雰囲気になっていますね(笑)。

あとは今の仕事が朝早いので、どうしても平日こどもとの時間はお風呂に一緒に入るくらいになってしまうので。逆にそれ以外は妻に支えてもらっているので、週末はもっとやらないとな…と皆さんのお話を聞いていて思いました。

山本:お家で家事をやってもらうのもすごくありがたいんですけど、子育て中の人が結構求めているのが、お子さんを連れて1日外出してもらうことだと思います。週末気になることを一気に片付けたいけど、旦那さんやこどもがいると気にしちゃう。家事と育児を分離してもらえると、気持ち的にも楽になると思いますね。

秋友:早速今週末頑張ります!(笑)

竹下:最初はカフェで数時間とかからでいいんじゃないですか。多分いきなり1日やったら、週明け秋友さん屍になっていますよ(笑)。

後編につづく~