対談

学校給食・学童クラブの現場・本社で働く女性のキャリアと子育てのリアル ~国際女性デー座談会後編~

左から山本さん、秋友さん、倉澤さん、竹下さん

<パネリスト>
葉隠勇進 運営マネジメントDivision 秋友孝文さん
明日葉 業務推進Division 山本友香里さん
ソシオークホールディングス 人財育成Division 倉澤佳織さん、竹下智美さん (本文中敬称略)


3月8日は女性の活躍や功績をたたえる「国際女性デー」。グループ社員の7割を女性が占める当社でも、働く女性を応援する気持ちを込めて座談会を企画しました。

座談会のメンバーは、もともと学校給食の調理員として子育てと両立しながら働いていた倉澤さん、学童クラブ(※)の先生として、同じく子育てと両立しながら働いていた竹下さん、給食調理のマネージャーとして現場を支え、最近お子さんが産まれてパパになった秋友さん、前職で栄養士として働いていましたが、子育てをきっかけに転職してきた山本さんです。

(※)放課後児童クラブ

後編では、女性の活躍を応援する当社での働き方や制度と、必要なアップデート、そして当社で働きたいと思っている方々へメッセージを伺いました。

座談会メンバーのキャリアの歴史と子育てとの両立について伺った前編はこちら


現場で働く女性のキャリア

河村:給食事業も子育て支援事業も、現場の仕事内容は結構ハードなイメージがありますが、子育てとの両立って実際どうなんでしょう。

倉澤:産休って出産予定日の6週間前からと決まりがあるので、そこまでは皆さん何とか頑張って働かなきゃと思うんですよ。でもやっぱり悪阻とかって個人差があって。給食現場はすごい量の食べ物に囲まれているので、辛いんですよね。ご飯が炊ける匂いとか、揚げ物の油の匂いに気持ち悪くなってしまう人は何人かいました。

河村:確かに給食現場は悪阻の方にとってかなり辛いですね…。

倉澤:でも、現場で働けないから辞めてくださいっていうのは絶対になかったです。本支店で事務の仕事をやってもらうなど、できそうな仕事を任せて、産休育休はちゃんと使えるようにしてくれるんです。なので、皆さん辞めずに産休育休を取得して、取得後も戻ってきてくれていますね。

竹下:ライフステージに合わせて働き方や雇用形態を変える方もいらっしゃいますね。
私が施設責任者だったときにパートナー(※)さんとして入ってきてくれた方は、何年か後に正社員になったんですよ。その後妊娠されて、産休育休取得後、お子さんの都合もありパートナーとして復帰されました。2019年にフルタイムのパートナーになってから、2人目を妊娠されて。育休取得後、次は契約社員として復帰しました。自分の体調やライフスタイルに合わせて、色んな雇用形態で働けたのはありがたかったと仰ってましたね。(※ソシオークグループでは、パート社員のことを「パートナー社員」と呼称)

河村:一概に正社員がいいというわけではなく、ご自身のライフステージに合わせて働き方が選べるというのはいいですね。長く続けていただけるのが一番ですもんね。

秋友:葉隠勇進では、ライフスタイルに合わせて勤務時間を調整できるように努めています。基本、給食現場は朝早くから始まるのですが、産休・育休明けの方には保育園等の送り時間に合わせた出社時間の希望を聞いて、可能な範囲でマネージャーが調整しています。 

あとは復職にあたって、事業所メンバー、学校様ともしっかり事前にお話しているので、復帰後はこどもに関する急なお休みがあって当たり前、という空気ができている事業所が多いですね。現場は、みんなお互い様だよねという理解ある雰囲気になっています。 

河村:マネージャーからの働きかけも大きいんですね。ちなみに私、気になっていたんですけれど、葉隠勇進で働かれている方は、小学校の長期休暇中は調理業務がお休みですよね。その間、社員の給与ってどうなるんですか…?

秋友:出ます! 3カ月の変形労働時間制で、給与額も変わりません。働く方にとっては魅力的なのかなと。

河村:小学校のお子さんがいる方は、こどもに合わせて安心してお休みできますね!
あと長期休暇中は、明日葉の学童でヘルプ要員として働くこともできますよね。倉澤さんも現場にいた頃に働いていらっしゃったと聞きました。

倉澤:そうなんです。通常の給与をいただきながら休暇を取るか、学童で働いてプラスアルファの時給をいただくかを選べるんです。小学生のこどもがいたら休暇にして家族旅行に行くこともできますし、保育園のこどもがいたら逆に働かないと預けられないですしね。私の頃は、もう息子が大きくなっていましたし、明日葉からヘルプの要請もありましたので働きました。それぞれの事情に合わせて選べるというのは良いですよね。

竹下:明日葉にとっては、長期休暇中は終日預かりで大変なので、葉隠勇進の方にヘルプに来ていただけるのはかなりありがたいです!

倉澤:グループで繁忙期が違うからいいですよね。


女性活躍推進に向けて必要なアップデート

河村: 2022年のジェンダーギャップ指数は日本の順位が146カ国中116位で、前回とほぼ横ばい、先進国の中で最低レベルだったそうです。女性が7割を占める当社でも考えるべき問題だと思いますが、今後必要なアップデートって何だと思いますか。

山本:ジェンダーギャップ指数って項目がいくつかあって、特に意思決定に関わる項目の多様性がなかったんですよね。それは同時に、ソシオークグループの課題でもあると思います。

やっぱり育児にコミットした当事者でないと、こういう制度があったら働きやすいとか、こういう風に声をかけられたら嬉しい気持ちになるとかって分かりづらいと思うんですよね。現役子育て世代がメインとなって、福利厚生や休暇の制度を考えていくことができれば、今後の人財採用や離職防止にもつながるのかなと思います。

全員:うーん、確かに。

山本:福利厚生も育児支援につながるものがあればいいなと思います。例えば時間で有給が取れるとか。あとはベビーシッターや家事代行サービスを福利厚生として導入している企業も最近多いですよね。そういうものを取り入れている会社だということは、Z世代などのこれからの採用に重要な世代にも刺さるのではないでしょうか。

倉澤:私と竹下さん世代の子育てと山本さん世代の子育てでさえ、世代間でギャップがあると思うので、今の意思決定層との壁はもっと高そうですよね。

竹下:それこそ若い人や子育て世代の人たちの声を集めたり、アイデアを発信していくことは、地道ですけど大切ですよね。あとは、週5じゃなくて週3出社をOKにするとか。そういう多様な選択肢を持っておくことが、これからの時代の人財確保につながるのではないかと思います。

山本:色んな働き方の人がいれば引け目もないですしね。皆が働いている中、時短で帰るのって、何も思われていなくてもやっぱり本人は気まずかったりしますよね。

河村:色んな働き方で色んな人財がいた方が、会社にも多様性が生まれて、新しいアイデアがたくさん生まれそうですね。

山本:あとは男性社員も皆さん多忙ですが、家庭や育児にコミットできるような働き方を考えてほしいですね。男性をもっと家庭に返していかないと、女性は社会に出ていけないので。


当社で働こうと考えている方々へメッセージ

河村:では最後に、これから当社で働こうと考えている方々へ、何かメッセージがあればいただきたいです。

倉澤:自分の経験から、女性でも安心して長く働ける会社ですよ、ということは心から言えます。困ったことがあったら、秋友さんのような本支店で支えてくださっているマネージャーや、現場の上長に相談すれば、その人に合った道をいくつか示してくださるので、そこから選択することができますし、何かあったときには絶対に寄り添ってくれますよ、ということは伝えたいです。

竹下:グループで色んな事業をやっているので、明日葉に入ったから子育て支援しかできないということもないですし、全国で事業を展開しているので、ライフステージに合わせていろんな事業所にも行くこともできます。選択肢が多いところが魅力ですね。長く働くことを考えると、多様な選択肢があった方が自分のキャリアの可能性も広がりますよね。

あとは、どの会社でも、ソシオークグループのメンバーって、想いや感謝を持って働いている素敵な人ばかりなんですよね。多分自然とそういう人たちが集まってくるんだと思います。

秋友:グループが急速に発展していて、入社時から考えると良い意味ですごく変わったと思います。そして、今後もまだまだ変わる会社だと思います。社員一人一人の働きやすさやライフステージ、時代に求められていることに合わせて変わっていくことができる会社であることを実感していて、それが当社の良さなのかなって思います。

山本:実際どの会社でも、働き始めたら大変なことはたくさんあると思うんですよ。でも大変だなと思ったら、何が大変なのかということを自分から発信して、周りを巻き込んで自ら変えていくことが必要だと思います。ソシオークグループには「現場力」もあるんで、自分から変えていける文化があるじゃないですか。自分の手の届く範囲は、自分で変えていく。自分でなかなか変えられないところは上長やマネージャーに相談する。そうやって自分から積極的に動く力を持っている人であれば、必ず輝けると思います。