現場力×保育園給食・ヘルスケア給食・社員食堂

【現場力インタビュー】「角度1度の継続」を大切にする現場力!小さな工夫の積み重ねで「ごみの体積を削減」

▲左から伊佐治さん、横田さん、吉岡さん

現場力作成者:ソシオフードサービス株式会社 札幌市にある有料老人ホームの給食現場 横田(よこた) 真也(しんや)さん

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

「平坦な道でも毎日1度傾きが変わったら、ほんの少し上向きになります」。現場力において、小さなことから継続的に変えていく「角度1度の継続」を大切にしているという横田さん。

その1つとして、ごみの体積を減らす取り組みを始めました。ごみの量を減らすことは難しくても、体積であればごみの出し方を工夫することで減らすことができると考えました。社員全員で意見を出し合い、どのように改善していったのか、横田さんから詳しく伺いました。


――ごみの捨て方を工夫しようとなったきっかけを教えてください。

まずはごみを減らす方法を検討しましたが、僕が勤務する老人ホームでは食事の予約を行っていないので、足りなくならないように多めに作る必要があり、ごみを減らすのは難しいことでした。

他に何か減らせるものはないかと考えたとき、別の現場で「1ℓの牛乳パックを全て解体して出していた」ことを思い出しました。ごみの量は変えられなくても、パックやケースなど“かさばるごみ”の出し方を工夫することで、体積なら減らせるのではと考えたんです。ごみの量は変わらなくても、体積が減ることで、ごみ出しの回数を減らすことができます。

ごみが多いとごみ袋が破れやすくなり中の液が漏れて、ごみ箱や床を汚してしまうこともあります。ごみの体積を減らすことができれば、余計な掃除の手間と時間をなくすことにもつながるのですぐに取り組み始めました。

――具体的にはどのようにして体積を減らしたのでしょうか?

まず卵や豆腐、餃子、デザートなどプラスチックケースのごみは、別のごみ箱に保管します。餃子は1回で30パックもごみとして出るので、他のごみと同じ袋に入れようとすると袋が破れてしまうんです。通常のごみが袋にある程度溜まってきてから、詰めすぎないように気を付けて、上から重ねてまとめます。

ラップの芯はこれまでは老人ホームのレクリエーションで活用されていましたが、コロナ禍で開催できなくなったため、ごみとして出すようになりました。長い筒状でかさばるので、体積を増やさないように他のごみとは別に1袋でまとめて捨てるようにしています。

さらに、不衛生なことはできるだけ避けたいと常々思っているので、ごみ袋の底に新聞紙を敷いて吸収剤にすることで少しでもごみ箱や床を汚さずに済む工夫もしています。

こうしたアイデアは、社員から家庭での知恵をたくさん出してもらっています。ごみの分別については僕よりも詳しくて、日常生活でも工夫しているんだと思います。YouTubeでごみ清掃芸人の方がごみの捨て方を配信しているのを観て、知恵を頂くこともありました。

――体積を減らした効果はいかがでしょうか?

ごみ袋が破れることが少なくなりました。床に液漏れして掃除をする手間が省けて、明らかに掃除の回数が減って楽になったと思います。ごみ袋を買う頻度も前より減っているので、ごみの体積を減らせているんだなと実感しています。

――横田さんが現場力を実践していくにあたり大切にしていることを教えてください。

僕が現場力に取り組むときにこだわっていることは2つあります。1つは「小回りが利くこと」。まずフットワークを軽くしてみて、うまくいかなければ元のやり方に戻せばいいと思っています。入居者様やホームの職員さんからのご要望に対しても、可能な限り対応していきたいです。

もう1つは「1度の継続」をしていくこと。平坦な道でも毎日1度傾きが変わったら、ほんの少し上向きになります。1日目は全く分からないのですが、10日後には元の平坦な道よりも上を向いていることに気付けると思うんです。仮に間違っていても、「1度」なら簡単に元通りにできます。

大きいことを一気に変えるのではなく、小さなことを継続的に変えていけば、良い方向に向かっていって、それが「現場力」という言葉になっているんだと思います。