現場力×保育園給食・ヘルスケア給食・社員食堂

【現場力インタビュー】子どもたちにたくさん食べてほしくて。無理せず楽しく完食を目指すスタンプカード

現場力作成者:ソシオフードサービス株式会社 調布市にある保育園の給食現場 責任者/調理員 赤堀(あかほり) 千年(ちとせ)さん

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

調布市内の保育園で給食を作る調理員の赤堀さんは、子どもたちが楽しく無理なく完食できるためにはどうすればいいのかと思案していました。無理なく給食を楽しみながら完食できるクラスもある一方で、偏食があったりと、なかなか食べ切ることが難しかったクラスもあります。そこで赤堀さんは、残さず食べたらスタンプが1個もらえる「完食スタンプカード」を作ってみるという現場力の取り組みを始めることにしました。この取り組みに込めた想いを詳しく伺いました。

――完食スタンプカードが誕生したきっかけについて教えてください。

4歳児クラスは偏食の子が多く、クラス全体で一度も完食できたことがなく悩んでいました。ある誕生日会メニューの日、クラス全員が残さず完食することができた日がありました。私たち調理員も保育士さんたちも皆びっくりして、一緒に大喜びしたんです。

誕生日会の特別なメニューで、可愛らしい見た目になるように盛り付けたことで、食べたいと思ってくれたのかなと思います。ただ、凝った盛り付けを毎日提供時間に間に合うように続けることは難しいので、子どもたちが楽しく食べてくれるような別の工夫ができないかと調理員皆で考えました。

そこで「クラス全員が食べ切ったら、スタンプを1つずつカードに押すのはどうでしょうか?」という提案があり、完食スタンプカードを作ってみたんです。子どもたちが無理なく楽しく食べられるように保育士の先生方と相談し、いきなり全クラスで展開するのではなく、まずは偏食の多い4歳児クラスから試験的に始めることにしました。

――完食スタンプカードを始めてから、変化はありましたか?

完食まであと一歩という日が多くなりました。ご飯やお肉は空っぽになって、副菜がほんの数名分残るという状況が続いているので、近々また全部食べてもらえる日が来るかなと期待しています。

完食ができた子は、おうちで「今日給食全部食べたんだよ」と報告しているようで、保護者様も「うちの子が全部食べたなんてビックリです!」と大喜びしてくださっていると伺いました。給食室へ直接お手紙をくれる子もいて、こうやって喜んで食べてもらえることが、私たち調理員の糧になっています。

――今後、完食スタンプカードをどのように展開していく予定でしょうか?

スタンプが全部貯まったら、クラスからのリクエストメニューを提供したいと考えています。

実は、当初はスタンプを9個集めてもらおうと考えていたのですが、4個に変更しました。子どもたちの様子を見て保育士さんとも相談し、ゆっくり子どもたちに合ったペースでスタンプを集められるように、リニューアルすることにしたんです。

リニューアル後のスタンプカード

スタンプカードの絵も、りんごの木に変更しました。クラス全員が全部食べられたら、木にりんごが実るようにスタンプが押されるんです。桜の木やクリスマスツリーにするという案もありましたが、全部のスタンプを集められるのが何月になるかはっきり分からないため、保育士さんから「季節感のある植物は避けよう」とご提案いただき、あまり季節を問わないりんごの木になりました。

――赤堀さんが普段から現場力の取り組みや給食調理で大切にしていることを教えてください。

一番大切にしていることは、誠実な行動です。給食はやはり信用第一だと思うので、提供が遅れないようにとか、衛生面を徹底するとか、給食室の前を通る子どもたちや保育士さんから見て信用していただける行動を心掛けています。 ほかにも、毎日の給食のメニューでも人参を星形にするなど、子どもたちに喜んでもらえるような小さな工夫を増やしていきたいと思います。