
――江里口さんのこれまでのキャリアを教えて下さい。
最初は市の直営の大きな給食センターで約7年間勤務しました。その後、葉隠勇進に責任者として入社し、現在で7年目になります。
入社後は、新規事業所の立ち上げを任せていただくことが多く、これまでに4回経験しました。現在の給食室も、今年4月から葉隠勇進が運営を開始したばかりの新しい事業所です。
――責任者として心がけていることはありますか?
自分とは違うやり方も、少しずつ柔軟に取り入れることを意識しています。
葉隠勇進の運営になる前から働いていた方や、他社から転職してきた経験者の方々は、それぞれが違う仕事のやり方を持っています。基本的には会社の方針に合わせてもらいますが、否定ばかりではなく、良いところはバランス良く取り入れるようにしています。
また、コミュニケーションをしっかり取り、風通しの良い職場を作ることも大切にしています。「みなさんのおかげです」「ありがとうございます」と、感謝の気持ちはしっかりと伝えるよう意識していますね。
休憩中は和気あいあいとした雰囲気です。私自身も前職であった面白いこととか、みんなが笑えるようなネタを提供して場を和ませるようにしています。いじられキャラなので、20代の方からもよくいじられるんですよ(笑)。
――新人の方にはどのように接していますか?
新人の方が1人ぼっちにならないよう、なるべく教育担当を付けるようにしています。私自身もよく声を掛け、分からないことがあれば丁寧に、分かりやすい言葉で教えるようにしています。
――学校給食調理員として働いてきて、印象的だったエピソードはありますか?
栄養士の先生から依頼を受けて、全校生徒の前で20分間、給食についてお話ししたことがありました。人前で話すのは初めてだったので、一生懸命内容を考え、事業所の立ち上げで苦労した話や給食作りへの想いを伝えました。
その後、先生から「とても良い授業だった」と褒めていただき、こどもたちにも「こういう想いで給食を作っているんだ」と伝わったことが嬉しかったです。挑戦してみて良かったなと思える経験でした。
――反対に、これまで苦労したことや難しかったことはありますか?
前職の大きな給食センターでは、全員の役割が決まっていて、毎日同じことをすれば問題ありませんでした。しかし、葉隠勇進に入社して初めて配属された事業所では自校式だったため、限られた人数のなかで、臨機応変な対応が求められました。最初は全然うまく立ち回れず、毎日泣きながら仕事に行き、泣きながら帰る日々でした。
それでもその事業所では、こどもたちが給食を食べる姿を実際に見ることができたんです。前職の大きな給食センターでは見ることができなかったので、とても嬉しかったし、頑張ろう!と思えましたね。
――現場力のことも伺わせてください。これまでに取り組んできた中で、特に印象に残っているものはありますか?
パートナーさんの1人が妊娠されていたので、安全に配慮した新しいルールをみんなで作りました。例えば、「重いものを持たせないようにしよう」とか「床が滑りやすくならないように、濡れたものを運ぶときはしっかり水を切ろう」など、みんなで話し合いながら決めました。
そのパートナーさんが無事に元気な赤ちゃんを出産し、また復帰してくれると聞いたときは本当に嬉しかったです。
――現場力に取り組むことで、現場のメンバーに変化はありましたか?
日頃から「何か改善できることはないかな」とアンテナを張る意識が高まったと感じます。メンバーが他の事業所へ応援に行ったときは、新しい現場力が生まれるきっかけになることもあります。例えば、洗浄の仕方など、他の事業所のやり方を見て気付いたことを報告してくれることが増えました。
他の事業所を知ることは学びにつながるので、応援の要請があれば積極的に参加してもらうようにしています。
――江里口さんにとって、葉隠勇進はどのような存在でしょうか?
現場の社員、パートナーさん、栄養士の先生、マネージャー、そして給食を食べてくれるこどもたちなど、仕事を通じてたくさんの方々と知り合えた、私の大切な居場所です。皆さんから刺激や影響を受けながら、自分自身が成長し続けられる場所でもあります。
――仕事における誇りと情熱を教えてください。
常に探求心を持ち、新しいことや困難なことにも挑戦し続ける人でありたいと思っています。不器用ですが、何事もコツコツ続けることは得意です。空回りすることもありますが、いつも一生懸命に仕事をしていたいです。
――これから責任者を目指す人に向けて、メッセージをお願いします。
責任者を目指す方というよりも、就任をお願いされる方に向けてお伝えしたいです。
私も入社時に「責任者として来てください」と言われましたが、最初は「自分にはとてもできない」と思っていました。でも、主人に相談したら「できるかできないかは、やってみないと分からないから、引き受けてみたら」と背中を押され、引き受けることにしました。
1年目は苦労しましたが、2年、3年と続けるうちに少しずつうまく回せるようになっていきました。辛かったことも、今振り返ってみたら良い経験だったなと思います。
自信がなくても怖くても、まずは思い切って挑戦してみてください。周りの皆さんもきっと助けてくれるはずです。ぜひ一歩を踏み出して、新しい自分に出会ってほしいと思います。
