学校給食センターの調理現場で責任者として活躍する鴇田(ときた)さん。
毎日約650食を作る現場で、一人一人の力を引き出し、メンバー全員が自然と協力し合えるチームづくりに日々取り組んでいます。
今回はそんな鴇田さんの一日に密着し、「現場が輝く7つのルール」を伺いました。

葉隠勇進 学校給食現場責任者 鴇田さん 2022年8月に葉隠勇進に入社。入社前より市内の給食センターにて直営パート社員として学校給食調理業務のキャリアをスタート。その後、経験を積み、2014年に責任者に昇進。
1.社員からのアイデアは積極的に採用
学校給食の調理現場では、その日の朝に届く食材の状態によって、切り方や調理の順番を変えることがあります。そんなときに頼りになるのが、一緒に働く現場の社員たちのひらめきや工夫です✨
取材当日も、朝届いたお肉を見た社員から「下味を先につけるより、あとからゴマをかけた方が、味がよく付いてゴマのロスも少ないかも」という提案があり、鴇田さんはすぐに栄養士の先生に相談し、その方法で調理を進めました。


「実際に調理している社員だからこそ分かることがある」と考えています。社員から寄せられる提案をまず自分で受け止めた上で、必要に応じて栄養士先生と相談します。現場の判断を大事にして、みんなでより良い調理方法を見つけていきたいです。
2.全体を見て指示・サポートする
調理が一斉に始まると、少し離れた場所から全体を見渡す鴇田さんの姿がありました。


調理方法によっては特定の時間帯に作業が集中し、作業が遅れることがあるんです。
そんなときは、給食の提供時間に間に合うよう、遅れている工程を見極めて私が作業に加わったり、人員配置を調整したりします。事前に作った工程表に合わせて動き、全体の流れがスムーズに進むようにしています。
3.仕事はペアで振る
基本的に業務はペアで分担し、お互いの力を掛け合わせながら全員が持っている力を存分に発揮できるような組み合わせを考えているそう💡


不慣れな作業がある方がいる場合、慣れている方とペアにしながら、みんなのスキルを上げられるようにしています。苦手なことがあっても誰かが自然と支える、そんな安心感のある現場でありたいと思っています。得意なことはどんどん活かしてもらって、前向きに働ける環境をつくっていきたいですね。
誰が抜けても、誰が休んでも確実に現場が回る状況をつくることが目標です!
4.1日に必ず全員と喋る
一緒に働く社員さんに普段の鴇田さんの印象を聞いてみました🎤

いつもみんなが仕事をしやすいように、偏った負担がないかを考えてくれています。本当に優しく、細やかな気配りができる方で「女神」の生まれ変わりだと思っています!✨
現場では、メンバーそれぞれが異なる得意・不得意を持ち、日によって体調や気分にも変化があります。そうした中で、一人一人が安心して力を発揮できる環境をどのように作ればよいのでしょうか。14人のメンバーが働くこの職場で、「1日に必ず全員と喋る」という鴇田さんの行動に、チーム全体のつながりを大切にする想いが込められていました。


一人一人に声をかけることで、体調の変化やちょっとした気持ちの揺れに気が付けるんです。
最終的な責任は自分にありますが、「一人じゃない」って思える場所にしたい。それが日々、全員と話す理由です。
鴇田さんが働く現場の運営支援を行うマネージャーの橋本さんが、現場の明るさの理由をお話しくださいました🎤

ここの現場は、いつ来ても明るくて雰囲気がとても良いと感じています。
それは鴇田さんが、パートナーさんや社員の皆さんにきちんと気を配り、日々丁寧に接しているからだと思います。
そうした細やかな気遣いが、現場の明るさにつながっているんですね!
5.仕事と休憩のメリハリをつける
社員同士の仲が深まるのはとても良いこと。でも、仕事中と休憩中の区別があいまいになると、かえって集中しにくくなってしまうこともあります。
では、鴇田さんは良い関係を保ちながら、どうやって仕事と休憩の切り替えをしているのでしょうか?

仕事は仕事、休憩は休憩というメリハリは大切にしています。
社員同士の仲が良いのはとてもいいことだと思っていますが、やっぱり仕事中は集中して、プライベートな話は休憩時間にするようにしています。そうすることで、休憩の時間がより楽しく、気持ちよく過ごせるんですよね。
現場は大変なときもありますが、その分、楽しいときは本当に楽しい。だからこそ、オンとオフをしっかり切り替えることが、働きやすさにもつながっていると思います。
6.センターのことは全て知っておきたいというプライド
現場で行われる調理の流れなど、作業工程を把握することはもちろん、設備の仕組みまで理解している鴇田さん。どんな場面でも判断できる存在でありたいという「責任者としての覚悟」が感じられました。


責任者になってから、センターにまつわることは全て知っておきたい、という自分の中でのプライドがあります。
調理師免許はもともと持っていましたが、責任者に着任してからは、それに加えてボイラー技士や乙種第四類危険物取扱者免状といった専門的な資格も取得しました。
さらに今年度は、化学物質管理責任者、保護具着用責任者の講習も受けて専門性を磨いています!
現場の状況をいち早く、的確に判断できるようにし、施設様にもすぐ相談できる状態を目指しています。
7.みんなが笑顔で帰っていく姿に安堵
1日の終わり、社員たちが「また明日ね」と笑顔で帰っていく。
その何気ない瞬間に、責任者としての安心とやりがいを感じている鴇田さん。


残食もなく事故もない、1日が無事に終わったときにようやく安堵します。
でもやっぱり、みんなが休憩時間も楽しく過ごして、「また明日ね」と笑顔で帰っていく姿を見るのが、いちばん嬉しいですね。「今日もお疲れ様」っていう、その瞬間にホッとします。
鴇田さんの「7つのルール」には、業務を円滑に進めるだけでなく、現場の力を引き出し高め合う工夫が詰まっていました。
一人一人の声に耳を傾け、すぐに動く姿勢が安心感や信頼を生み、より良い給食づくりにつながっています。まとめるだけでなく、「活かし」「支え」「引き出す」リーダーシップからたくさん学ぶことができました!
鴇田さんありがとうございました!!😊