現場力作成者:株式会社明日葉 流山市立おおぐろの森小学校区学童クラブ 責任者 堰塚 裕一さん
ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。
おおぐろの森小学校区学童クラブは、昨年開校した小学校に併設された新しい放課後児童クラブです。木のぬくもり溢れる美しい校舎で、責任者の堰塚さんをはじめクラブの先生たちは、開校当初からいくつもの現場力を積み重ね、子どもたちが過ごしやすい環境を作り上げてきました。人財育成にも力を入れる堰塚さんに、現場力の取り組み方や、次世代を担う若手社員への想いを伺いました。
――おおぐろの森小学校区学童クラブは、新設のクラブでありながら多くの現場力レポートを提出していますね。その中でも、堰塚さんにとって印象に残っている取り組みを教えてください。
クラブで初めて生み出した「手作りパーテーション」の現場力が印象に残っています。開所前の準備では、子どもたちが安全・安心におやつの時間を過ごせるように、コロナ感染対策としてパーテーションの設置が急務でした。開所前のかなり忙しい時期でしたが、子どもたちのためにもなるべく手作りの備品で揃えたいと考えていました。
そこで私は、100円ショップやホームセンターを巡り、パーテーション作成のための材料を見つけてきました。100円ショップで購入したカラーボードとプールスティックを使って試行錯誤を重ねた結果、私だけではなく社員全員が簡単に作ることができる方法を見つけ、皆で必要な数のパーテーションを製作しました。
――ほかにも子どもたちのために行った現場力があれば教えてください。
トイレのスリッパを並べられない児童が多かったので、口頭で並べるよう伝えたり、注意喚起の張り紙を貼ったりしていたのですが、なかなか効果が出ませんでした。そこで、黄色のテープを貼ってスリッパを置く枠を設けたところ、子どもたちも自然に枠内にスリッパを並べられるようになりました。簡単なことですが、子どもたちの心理に働きかけるような仕組みを作ることで、自然と並べられるようになるんですね。
子どもたちから見て黄色のテープが景色の一部になってしまわないように、時が経ったら別の色やデザインに切り替えて、視覚的な呼び掛けを続けられるようにしたいです。
――おおぐろの森小学校区学童クラブでは、普段からどのようにして現場力に取り組んでいるのでしょうか?
おおぐろの森小学校区学童クラブは、ゼロから立ち上げた事業所なので、自分たちで作り上げていくやりがいが大きいです。学校の先生方も、私たちを信頼し任せてくださるので、自由な発想でクラブの運営ができています。
現場力レポートは、年に一度は必ず全員が提出するように、事前に予定を組んでいます。開所当初は、若手社員が多かったこともあり、まだ現場力についてよく分かっていない様子でした。しかし運営2年目を迎えた今、クラブ全体に現場力が浸透してきていると思います。
社員が取り組んでいる日々の改善は、全てが現場力に当てはまるのではないかと思っています。そのため、現場力レポートに何を書くか迷っている社員には「少しでも仕事がしやすくなるように取り組んだことが現場力になるんだよ」「今やっている改善が現場力だよ」と伝えるようにしています。
――現場力に取り組むにあたって、特に大切にしていることを教えてください。
今力を入れているのは「いかに効率良く業務を回していくか」という現場力です。今後効率化していきたいものは、入退出の管理や書類の作成、おやつの管理・発注など、さまざまな事務作業があります。何か一つの小さな改善で、全ての課題が解決するわけではありませんが、一つ一つの小さな積み重ねによって、ゆくゆくは大きな改善につなげていきたいと思っています。
現場の若手社員には、枠にとらわれず柔軟な発想で取り組んでほしいと思っています。例えば、今かっちりと決まっているおやつの時間や提供方法についても、この先大幅に変更する必要が出てくるかもしれません。ずっと続けてきたやり方を変えることは骨が折れますが、変えることを恐れずに取り組んでほしいと願っています。