インタビュー

現場力インタビュー Vol.7
「一括ファイルリネームでミスを減らそう(Power Automate)」

現場力作成者:ソシオークグループ サテライトオフィス川越センター 古川(ふるかわ) 陽子(ようこ)さん

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

Microsoft のPower Automateという機能をご存知でしょうか?

ソシオークグループのサテライトオフィス川越センター(通称:川越オフィス)では、官公庁及び自治体の入札に参加するための参加資格取得を目的とした申請書を作成しています。しかし、繁忙期となると大量のデータを処理する必要があり、申請書データの取り違え発生の懸念がありました。

今回ご紹介するのは、「取り違えを未然に防ぐ」ため、Power Automateによってファイルをリネームした取り組みです。作成者の古川陽子さんに、今回の本部力が誕生したきっかけやミス防止・情報共有の強化などについてお話を伺いました。

――今回は、申請書データの取り違えを防ぐためにファイル名をPower Automateで変更するという内容だと理解していますが、発想のきっかけについて教えてください。

古川 陽子さん(以下敬称略):まず川越オフィスでの業務についてご説明させていただきますと、ソシオークグループ内の各事業会社に代わり、自治体に提出する入札の申請書を作成しています。川越オフィスで作成した申請書データは、該当する事業会社の社名が振られた共有フォルダに入れ、それを本社の開発支援課の方が確認するという流れになっています。

あるとき、申請書データを該当事業会社とは別の共有フォルダに入れてしまったことがありました。そのときは自治体に提出する前に、本社の担当者が気付いてくださったのですけれども、このようなミスを繰り返さないように何かできることはないかなって考えたのがきっかけでした。

――Power Automateを導入するまでは、どのようにして取り違えを防いでいたのでしょうか?

古川:それまでは申請書作成が1件終わるごとに、手元のメモにチェックを入れて区別していました。少ないときはよかったのですが、1日の作成数が増えてきますと作業効率アップのため、完成した申請書を複製して新しく作成していくというやり方が増えていったのです。でも、「複製前のデータ」と「複製後のデータ」は取り違えが起こりやすいのです。作業効率アップのために複製しているのにこれが取り違えの原因になっては元も子もないですよね。これも一括リネームという発想が生まれた一因かもしれません。

――Power Automateについては、以前から知識があったのでしょうか?

古川:いいえ。川越オフィスにはExcelのマクロ機能とか関数を使うことが得意な方が多く在籍しているのですが、私にはちょっとハードルが高いと感じていました。Power Automateのことは、本社の情報システム課が社内SNSで発信している情報で紹介されていたのを見つけて知りました。

あらかじめ決まっているものをドラック&ドロップして積み木のように積み重ねていくものなので、私でもハードルが低くてとっつきやすかったです。これなら難しいことを学ばなくても直感的に使いこなせるのではないかと思い、12月に実際やってみることにしました。

――このリネームのやり方は、川越の他の社員も行っているのでしょうか?

古川:各々やりやすいやり方は異なっていますので、現状はそれぞれのやり方でやっています。いずれどなたかにリネーム作業でPower Automate機能を使っていただくことがあれば、使ってみた感想を聞きたいなと思っています。

――リネームによりデータの取り違えがなくなったとのことですが、他にも作業時間短縮など効果もありましたか。

古川:はい、作成しなければいけない書類の数とか添付書類とか、自治体によってまちまちなんですけれども、データのタイトルなど変えなければいけないところがワンステップで変えられるので。これは時間短縮としても良いなと思います。

――古川さんとしては、Power Automateのように視覚的な操作は好きなほうなのですか

古川:得意というほどではないんですが、繰り返しの作業が多い仕事なので、簡略化できないかと考えていたところだったんです。

――では、新しいスキルを覚えるまでの苦労もあったかと思います。

古川:参考書よりもWebで勉強していたんですが、自分のやっている方法で本当に合っているかな、と思ったことはあります。「これが正解だよ」というものがないので、試行錯誤しながら「あ、これで進められそうだな」という手ごたえを感じながら進めていきました。

――本部力に取り組むにあたり、川越オフィスで大事にしているテーマはありますか?

古川:業務効率化が大きいかなと思っています。私以外のメンバーも、日々のルーティン業務をちょっとでも少ない工程でできるように尽力しています。数分だけの作業でも繰り返しのものがすごく多くて、それが1週間、1か月単位で見れば大きな違いになってくると思っています。

――川越オフィスでは、毎日何件くらい申請書を作成していますか?

古川:繁忙期だと、川越オフィスのメンバー4名で1日あたり15~20件くらい作成しています。業務レクチャー担当の劔持さんが自治体の調査をしてくださっていて、他の3名で申請書を作っています。

――本社とやり取りをすることもありますか?

古川:朝のミーティングで申請書の作成状況を報告しています。川越オフィスができた当初は、作成する申請書の種類は葉隠勇進1社分だけでした。今では、さらにソシオフードサービス、明日葉、あしたばマインド、みつばコミュニティの計5社分作成している中で、扱う情報も増えてきました。

こちらだけで判断できないこともあるんです。個別の自治体担当者の方に直接ご連絡いただくことが必要なときは、本社の皆さんにお任せしています。

――普段は川越の社員同士でどのようにしてコミュニケーションをとっていますか?

古川:お昼休憩とか、川越オフィスでは決まった時間にみんなで休憩する時間を設けています。お茶を飲みながら、趣味の話などを交え和やかに過ごしています。仕事で何か困ったことがあっても気軽に話せる風通しの良いところだと思っています。

メンバーには、申請書作成の中でもExcelとかWordとかの使い方に詳しい方もいらっしゃるので、いろいろと教えていただいています。

――今後、本部力によってどのような現場をつくっていきたいですか?

古川:今回の本部力はミスをなくすためのものでしたが、他には情報の共有が重要な課題になっています。情報の共有がないと進まない仕事がかなり多いので、川越オフィス内だけでなく本社とも「こういう情報をください」「こういう情報が足りません」「こういう判断をしていただきたいです」のように連携しながら密に進めていきたいと思っています。

――最後に一言お願いします。

古川:業者登録を行うチームは、川越オフィスと開発支援の10名ほどのメンバーです。これからも各事業会社の開発を支えられるよう努めてまいります。