現場力×送迎バス・移動サービス

現場力インタビューVol.16「U字溝に落下対策」

横浜市内の幼稚園の送迎バス運転士 杉崎 研一さん

現場力作成者:株式会社みつばコミュニティ横浜市内の幼稚園の送迎バス運転士 杉崎(すぎさき) 研一(けんいち)さん

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

送迎バス運転士の杉崎 研一さんは、廃材を活用したDIYが得意。日々のDIYで培われた、より安全に、快適に生活できるよう工夫する意識が、現場力につながっています。駐車スペースにあるU形の側溝(U字溝)に取り付けるフタを作った「U字溝に落下対策」も、杉崎さんが業務上の危険に気づいて改善した現場力です。自分の得意なことを活かして前向きに業務改善に取り組む杉崎さんに、仕事にかける想いについて伺いました。

――今回の現場力「U字溝に落下対策」を思いついたエピソードを教えてください。

これはU字溝の上に手作りのフタをしたことですが、車体の長いマイクロバスを駐車スペースに停めるとどうしても車止めブロックの真後ろにあるU字溝に近づいてしまってね。ブロックとU字溝の間のスペースは人1人通れるくらいしかなくなるんです。自分が車体の点検・清掃で後方部に回るとき、この狭い場所に足場を構えなくてはならないのですが、そのとき落下したら怖いなとしょっちゅう気にしていました。だから自分自身が安全に仕事をできるように、足場を広くしたいと思ったんです。

元々DIYをよくやるんです。通勤途中にある工務店の工房に「ご自由にお持ちください」って廃材が置かれていて、その中にたまたま側溝にピッタリの幅で厚めの木板があったんです。

その木板の裏に小さい木片ブロックを取り付けて、板がU字溝の中に落ちないように固定して、板の上にはすべりにくいマットを敷きました。

――この現場力を始めてから、改善されたなと感じることを教えてください。

やっぱり足場が固まったことで安全に清掃できるようになったことですね。今までは爪先立ちになって不安定な体制で清掃や点検をしていたので。

――普段の仕事で改善したいポイントをどのように見つけて解決していますか?

「ここをちょっと変えたいな」って思ったら、自分にすぐサッとできることで対応しています。買うとお金がかかるのでね、自分は廃材とか手元にあるものを使って作るんです。

実家でも手すり部分の修繕とか、スロープを手作りしてつけるとか、両親が日常生活で不自由な思いをしているなと思ったところを直しているので、仕事での現場力も同じ感覚です。

――他に、仕事の中で杉崎さんがDIYで作ったものがあれば教えてください。

例えば、駐車場に休憩スペースがないので椅子を作ったり、駐車場にゴミ箱がないので用意したり。最近だと、車内後方の非常用物置スペースから物が園児さんの座席の足元に行ってしまわないように、仕切りを設けました。

――杉崎さんが仕事で大切にしていることを教えてください。

「急」がつくことをやらない。急ブレーキとか急カーブ、急発進とかはやらないようにしています。事故を起こしてしまったら自分もショックを受けてしまうので、安全に運行することは自分の気持ちの安定にもつながります。やっぱり何より、30名くらいの園児さんたちの大切な命を任されているのでね。

あとは、安全というだけではなく、便利になるとか、ちょっと休憩できるとか。こうした方が良いなって気付いたら「やらないと」って気持ちになるんです。

――今後もより良い送迎を続けていくために、心掛けていきたいことを教えてください。

引き続き送迎業務中は気を抜くことなく、全て安全にことが運ぶようにというところ。

あとは最低限のことではありますが、車体をいつもきれいな状態にしています。園児さんたちは車体をすごくよく触るので、手が汚れないようにしてあげたい。バスの車体は園児さんたちだけでなく保護者様にも見られるので。

それに、全体的にきれいな状態なら万が一車体に傷がついたとしてもすぐ見つけられる。汚い車体では汚れに紛れて見つけにくくなってしまいます。元々ある傷もそうだし、そういう発見も安全につながるかなと思います。