本部力作成者:株式会社みつばコミュニティ・株式会社エムセーフティサービス 業務推進チーム 甲斐 涼さん
ソシオークグループの「本部力」とは
ソシオークグループの本社・本部で働く社員が業務の課題を自ら見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。
運転士(サービスクルー=SC)・添乗員(サービスアテンダント=SA)の労働契約更新は、昨年まで本部社員が3人がかりで対応していました。本部で書類管理やお問い合わせ対応をしていた甲斐さんは、この業務を効率化する方法を考案。労働契約を書面でなくクラウドサービスを使って締結できるようにしたことで、1人で対応できるようになりました。
この本部力によって、「自分たちだけでなく現場の社員の方も楽になるように」と心遣いをされる甲斐さんに詳しくお話を伺いました。
――本部力を実施する前、どんな課題を感じていましたか?
当社では、毎年4月1日に大半のSCさん・SAさんの労働契約更新を行っています。昨年は在籍している1,400人超のSC・SAに対して、最新の契約条件の確認から、契約書の作成、印刷、捺印、ご自宅への郵送までを行う必要がありました。
発送手続きが完了しても、配送トラブルで届いていなかったり、住所情報が古くて返送されてしまったりして、契約書を送付し直すことも少なくありません。契約書を返送してもらっても、押印漏れや書き損じがないか、一つ一つ目視確認が必要なので、手間と時間がかります。
昨年、この一連の業務を3人がかりで対応していて、今後5年後、10年後、SCさん・SAさんの数がさらに増えたら、今のやり方のままでは対応しきれなくなるなと不安に思いました。
――具体的な改善方法を教えてください。
業務改善に役立つ労務管理のクラウドサービスを新たに導入して、契約書の締結を行うことにしました。SCさん・SAさんのメールアドレス宛てに新しい労働契約書データを一斉送信できるようになりますし、契約内容の確認と電子署名をパソコンやスマホで完了できるので、SCさんたちの手間も減らせます。
一方で、今まで文書で手続きしていたものがパソコンやスマホに切り替わることで、苦手意識を感じてしまう方もいるだろうなと思っていました。こういった方々が操作する際に迷ったり疑問に思ったりすることがないよう、画面キャプチャ付きの操作マニュアルを作成してお渡しすることにしました。これでSCさんたちも私たちも楽になったと思います。
――今回の本部力はどのような効果がありましたか?
今年の4月の契約更新時には、8割以上のSCさん・SAさんの労働契約をクラウドサービス上で締結することに成功しました。これにより、昨年は3人がかりで対応していた業務を、今年は私1人で対応できました。私は毎日子どものお迎えのため18:00に会社を出なくてはいけないのですが、時間に余裕を持って進めることができて良かったです。
SCさんたちからは「スマホ1つで契約更新ができるので楽になった」という声を頂きました。操作マニュアルをしっかり準備しておいて良かったです。スマホに慣れていなくても「家族に操作を教えてもらったんだよ」と実行してくださった方もいて嬉しかったですね。
――業務推進チームでは、普段どのようにして本部力に取り組んでいるのでしょうか?
業務推進チームは、SCさん・SAさんだけでなくお客様からのお問い合わせにも対応するので、メンバー全員が全ての業務を一通り理解して対応できる状態を目指しているんです。そのために、業務をいかに簡単にできるか、いかに標準化するかをみんなで考えています。
あとは、アナログな部分が会社全体でまだまだ多いので、電子化できるものは進めていきたいですね。
――甲斐さんが業務改善において特に大切にしていることはどんなことですか?
みつばコミュニティとエムセーフティサービスはあくまでも現場の方が主体の会社。その中でも業務推進チームは現場をサポートする役割を担うので、現場の方が働きやすくなる改善をしていきたいと思います。コミュニケーション不足にならないよう、「皆さんにとってこういう良い効果があるんです」と丁寧にご説明して、お互いが納得感を持って進められるようにしたいですね。
私たち本部社員の業務を楽にすることも大事なので、これからもお互いにとって利になる改善ができるように取り組んでいきます。