葉隠勇進

【現場力インタビュー】校内放送で黙食も楽しめるように!給食調理員のオリジナルソング

高橋 利弘さん(中央)と同現場の皆さん

現場力作成者:葉隠勇進株式会社 相模原市内にある小学校の給食現場 高橋(たかはし) 利弘(としひろ)さん

ソシオークグループの「現場力」とは
「現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

新型コロナウイルスの流行以来、学校給食の時間は黙食に。高橋さんは、黙食でも児童が給食の時間を楽しめるように、オリジナルソングを校内放送で届けることを思い付きました。卒業生に向けた「贈る歌」のエピソードを中心に、歌に込めた想い、給食調理に対する考えなどについて教えていただきました。

――児童へ歌を届けようと考えたきっかけについて、教えてください。

きっかけは、コロナ禍で休校になったり、黙食になったりして、児童同士でコミュニケーションを取る機会が大幅に減ったことでした。なにより給食の時間が静かになったことを寂しく感じていたので、「僕たちが児童のためにできることはないか」と考えたんです。

そこで「黙食でも給食の時間を楽しんでくれたら良いな」と思い、歌を届けようと思い付きました。児童がコロナ禍でも楽しく過ごせること、早く元の生活に戻れることを祈って「同じ笑顔」という歌を作り、お昼の校内放送で流していただきました。

食器を戻しに来た児童たちから「また新しい歌もお願いします!」と声を掛けてもらえて、喜んでもらうことができました。

「同じ笑顔」を歌う動画より

――卒業生に向けた「贈る歌」を制作したときのエピソードを教えてください。

皆さんに「同じ笑顔」を喜んでもらったことを受け、その後も何曲か制作を続けていると栄養士先生から「ぜひ卒業生に贈る歌なんて作れませんか?」とご依頼をいただきました。

歌を作っていくうちに「学校の風景と僕の歌が動画として一緒に再生されたら、児童にとって良い思い出になるのではないか」というアイデアも浮かんできました。そこで、栄養士先生に校庭、廊下、教室などの写真を撮っていただき、スライドショーを制作して給食最終日に各教室のテレビで流していただくことにしました。

――歌の中に「待ち遠しかった揚げパンの日」「笑わせ合って吹き出した牛乳」など、給食の思い出についてのフレーズがありましたね。作詞・作曲で大切にした想いを教えてください。

毎日食べていた給食は、卒業生も大人になって思い出すことがあると思います。僕も子どもの頃にみんなで食べた給食には、楽しい思い出がたくさんあります。

昨年の卒業生は「クラスメイトと班になって食べる」という、コロナ前の給食を経験していたので、当時の小さな場面一つ一つを思い出してもらえるように、フレーズを考えました。

「贈る歌」スライドショーより

――スライドショーの最後に登場した、給食室一同から卒業生へのメッセージ「今まで食べてくれた1,085回の給食が、みんなにとっての一生の思い出になりますように」がとても素敵でした。どのような想いが込められていたのでしょうか?

1,085回っていうのは、児童たちが小学校6年間で給食を食べた回数のことで、すごい数だと感じてほしかったのです。苦手な献立が出た日や給食が食べ切れなかった日も含めて、給食の時間がより思い出深いものだったと感じてもらえるように、回数を数えて伝えました。

スライドショー最後のメッセージ

――「贈る歌」に対して、児童や先生方からの反響はいかがでしたか?

児童からは「すごく良かったです」と言ってもらえました。校長先生も「とても良かったです。感動しました」と感想を伝えてくださったんです。

現場の仲間もこのことを一緒に喜んでくれて、嬉しかったですね。僕自身も、これからもより一層おいしい給食を作りたいという気持ちになりました。

――高橋さんが現場力において大切にしていることがあれば教えてください。

“考えることを止めない”ということです。「見える化」「報連相」など、どんなテーマにも当てはまると思うのですが、日々の業務で考えていることを具現化したら、それが現場力になるんだと思います。

今の児童にも、毎日の給食には一人一人いろんな思い出があると思いますが、その中でも楽しいことが一つでも多くなってほしい。そのためにも、現場力を通して「安全・安心でおいしい給食をいつも提供できるように」と常に考えています。